Pパタが選ぶ2020年ベストアルバム50
(2019年ベストはコチラ)
近年は年末に二年遅れでアップしていたベストアルバム記事だが、とうとう今回三年遅れとなってしまった。2019年時点で最高だった購入枚数110枚を大きく上回る155枚となり(※2023年時点で最高記録です)、順位付けが大変になったというのもあるかもしれないが、28位以下の各コメントを省略して丸一年延長はさすがに言い訳にならないね。
初めてフィジカル盤なし・DL購入のみ作品も少し出てきた2020年。これからもっと増えてきそうな気もするが、やっぱり聴き込みたい気持ちがやや薄れてしまうのは否定出来ない(モノは部屋を圧迫するので順応したいところではあるが……)。
そんなこんなの超亀速アップになったけれど、よろしければお付き合いください。
次点.Vaundy『strobo』
50.Adrianne Lenker『songs』
49.Kaede『今の私は変わり続けてあの頃の私でいられてる。』
48.EMOE『Negative』
↑のCD通販サイトはコチラ
47.Last Electro『closer』
46.Duval Timothy『Help』
↑CD売り切れ、レコード販売はコチラ
45.Actress『Karma & Desire』
44.岡村靖幸『操』
43.Makaya McCraven『Universal Beings E&F Sides』
42.藤原さくら『SUPERMARKET』
41.RAY『Pink』
↑CD売り切れ(マケプレにはある)
40.?te『A Bedroom of One's Own』
39.Helsinki Lambda Club『Eleven plus two / Twelve plus one』
38.Uyuni『'99 PEACHY』
37.鈴木みのり『上ミノ』
36.Kanye West『JESUS IS KING』
35.Rituals Of Mine『HYPE NOSTALGIA』
34.Flanafi『Do You Have My Money』(※フィジカル盤なし)
33.mei ehara『Ampersands』
32.4s4ki『超怒猫仔』
↑CDタワレコ店舗で一部取り扱いあり
31.Phoebe Bridgers『Punisher』
30.Kassa Overall『I Think I'm Good』
29.BLACKPINK『THE ALBUM』
28.The Bug Featuring Dis Fig『In Blue』
27.Coriky『Coriky』
元フガジのジョー・ラリー、イアン・マッケイとその奥さんによるバンドという事で発見した時は興奮した。フガジにも通じるソリッドで無駄を削ぎ落とした音で、彼らだからこそ出せるグルーヴ感に心酔。そろそろフガジやりませんか?
26.Okada Takuro『Morning Sun』(前作:2017年No.1)
基本的には前作を踏襲した良曲が並んでいると思う。ただ前作のような魔法がかった瞬間を味わうことは叶わず、この順位に落ち着いた次第。
(↑タワレコにCDあり)
25.Kelly Lee Owens『Inner Song』
英ウェールズ出身のプロデューサーで本作は2ndアルバムとの事。ジャケに惹かれて聴いてみたのだが、ハウス~エレクトロニカ系のセンスのいい音楽で当たりだった。インストと歌ものが交互に来る構成だが、歌はじっくり聴かせるというよりはトラックの一部として曲に溶け込んでいる感じ。M7で元VUのジョン・ケイルが歌で参加している事からも判るように、翳りのある世界観が魅力的だ。
24.The Strokes『The New Abnormal』
久しぶりの新譜だがかなり良くない? いずれも楽曲とバンドアンサンブルが良く、無駄を削ぎ落としたまさにストロークスのロック!って感じで好きだ。初期のいいフィーリングが戻っているのでは。
23.Grimes『Miss Anthropocene』
ダークでメランコリックな曲調に透明感溢れるキュートなボーカルが映える魅惑のポップス。随所に表現力の高さが窺えて唸らされた。
22.downy『第七作品集『無題』
その存在は知っていたしたまに音源をチェックしていたものの結局スルーしていたダウニーだったが、本作でとうとう引っかかる。ヘヴィな音像の中に、叙情性のある歌というコントラストがツボった。ギタリストの青木裕が亡くなってしまったとの事で残念だ。
21.Ethan Gruska『En Garde』
かなりの音楽一家っぽい米出身のSSW/マルチインストゥルメンタリストの2ndアルバム。まずジャケットがいいよね。着崩れしてる小生意気な子供のドヤ顔スナップって。そんなセンスの良さ(?)を裏切らない良質なインディポップで、休日の昼下がりにでもまったり聴きたくなる。独特のくぐもったようなサウンド処理が好みだ。
20.LISA PAPINEAU『Oh Dead On Oh Love』
米SSWリサ・パピノー。闇の中に一筋の光が挿しているような、崇高さすら覚える独特な歌声が素晴らしい。フォークを基調としているようで、オルタナなテイストも随所に感じられ、あまり他と比較するアーティストが思いつかない独創的な音世界が広がっている。これを書く時点で初めて知ったのだが、1950年生まれでリリース時点で70歳という事実に驚愕(全くもってそんな年齢を感じさせないパフォーマンスだ)。
19.hyukoh『Through Love』
デビューから破竹の勢いで売れた韓国のインディーロックバンド。正直これまでの作品は試聴はすれども乗り切れず見送ってきたのだが、今作は一曲目からなんとボサノバ調で驚き。めっちゃいい味出てて、そのテイストは全6曲に共通している。メンバー南米行ったのかな? こんな豊潤で味わい深い音楽をやるとは思わなかった(種類は違うものの近年変化したアークティック・モンキーズのイメージに近い)。次作の方向性が気になるが、とりあえずフルアルバム頼む!
18.Joji『Nectar』
大阪出身だが18歳時に渡米し、現在ブルックリン~ロサンゼルスを拠点に活動しているSSW。トリップホップ、トラップ等をミックスしたR&Bで、聴いていると深い森に迷い込んだような気持ちになる。非常に静謐で繊細な世界観だと思うのだが、過去にPink Guyという名義で結構ヨゴレな感じの芸人として活動(「セックス大好き」みたいなコミカルソングを歌ったり)していて驚いた。
17.青葉市子『アダンの風』
10年以上のキャリアがあるものの今回初めて耳にした。自然に溶け込むような優しい歌声と演奏に癒やされる至高のフォークミュージック。ジャケット含めアートワークも見事で、世界観が完璧に出来上がっている。未だに眠る時は流してる程の愛聴盤。
余談だが本作のレコードをアマゾンで長いことチェックしていたにも関わらず売り切れた為、定価の倍近くの価格でメルカリで購入することになった泣。LPは本当に早めに入手しないと危険だ(という思考から沼にハマっていくことに……)。
16.Rina Sawayama『SAWAYAMA』
日本生まれ、英国育ちのモデル兼SSW。このデビューアルバムはタワレコで見かけたのだが、ジャケットに目を惹かれて手に取った。凛としつつも芯の強さを感じるしなやかな歌声、先端をいくポップスでありながらロックの熱量も持ち合わせていて、時代を象徴するような新たなアイコンが現れたと鮮烈な印象を残した。「Dynasty」の勇壮なコーラスを何度脳内リピートしたか知れない。困難と戦う意思を強く感じさせ、自身のアティテュードを高らかに宣言しているかのような、完璧なオープナーだと思う。
15.sora tob sakana『deep blue』(前作:2019年No.18)
解散する間際にリリースされたラストアルバム。正直どの順位に付けるべきか、そもそもランキングに入れるべきか少し迷った。本作は前作リリース後にメンバーのれいが抜け、残って活動を続けた3人により既存の楽曲を録音し直したもので、それのみなら純粋な新作ではないと外したかもしれないが、冒頭と最後には新曲が収録されたからである。そのどちらとも素晴らしかったのでやはり無視は出来ないと考え直した次第。
個人的にこのグループを超えるアイドルグループはもう出てこないと思っているくらいで、あらためて初期の楽曲から最新曲に到るまでエヴァーグリーンな輝きを放っているし、エモい気持ちを駆り立てられたりもする。しかし正直なところ、まだまだ"その先"の可能性を感じたし(活動期間約6年、解散時点でメンバーはまだみんな20歳以下だった)、「もしこれが全編新曲で構成されたアルバムだったらどんな出来になっていただろう?」とか、あらぬ妄想をしてしまったりもする。ラストの解放を意味する楽曲「untie」は、彼女たちがみせてくれた夢と、その終焉を強く意識させられるもので、美しくも切ない余韻を残す。さようなら。ありがとう、sora tob sakana。
14.RYUTist『ファルセット』
アイドル戦国時代に突入して久しいが、2020年でひときわ輝きを放っていた作品がこちら。4人によるアカペラからスタートするオープナーから7分弱にも及ぶM2「ALIVE」になだれ込んだ時点で、もうとんでもない事が起こっていると気付く筈。名うてのミュージシャンにより提供された、繰り返しの再生に余裕で耐えうる各楽曲の強度。希望しか感じさせない4人のピュアネスな歌声。それらが織りなすつい笑みがこぼれてしまう、全編を貫く抜群のポップさ。もう信じられないくらいに素晴らしい。20年代アイドルポップ史に刻まれるであろう、問答無用の傑作アルバム。
13.Becca Stevens『Wonderbloom』
米国のジャズ畑のシンガーのようで、自身がリーダーとなって組んでいるバンド編成も比較的オーソドックスなものだが、不思議と他とは一線を画すオリジナルなポップスをやっていると思う。音響凝っているというのはひとつあるかな。
12.Awich『孔雀』
海外でも活躍する沖縄出身のラッパー。本作で初めて知ったのだが、大胆不敵な"女前"なフロウに、幅広い音楽をナチュラルに取り込んだトラック郡にK.O.された。kZm氏によるねぶた祭りの笛の音をサンプリングしたM4「NEBUTA」とか、日本人ならではの楽曲もあり最高にキマっている。
11.Childish Gambino『3.15.20』(※フィジカル盤なし/前作:2016年No.13)
フィジカルリリースがなく、ジャケットは真っ白で、M2-3の二曲を除いて曲名は再生時間を示す数字のみになっている……と、物やアートワークに強い思い入れのある自分みたいな人間にとっては味気なく感じられてしまうのだが、この豊潤な音楽はやはり否定出来ない。参りました。あんたの勝ち。
10.The Weeknd『After Hours』
ようやく新譜リリースのタイミングで買えたウィークエンド。歌の美しさ、洗練された耳心地のいいトラック、いずれも期待を裏切らない出来で素晴らしかった。
9.Jon Hassell『Seeing Through Sound(Pentimento Volume Two)』(前作:2018年No.1)
2021年6月26日、ジョン・ハッセル逝去ーこのニュースを目にした時はフリーズしたし、思わず涙した。前作で初めてその存在を知ったばかりの新参もいいところだが、彼の音楽の虜になっていたから。ただ恥ずかしながら、この報せでラストアルバムである本作が前年にリリースされていた事を知り慌てて注文したのだが(すまんハッセル)。
『絵画を聴く』という前作から『音を視る』というコンセプトに変わった本作。アンビエント色強めだった前作と比べると、一定のフレーズの繰り返しが多用されていて、ミニマルミュージックに接近した印象がある(後にカンを結成するメンバーとクラスメイトだった時期もあったようで驚いた)。ただやはりその中で、トランペットをはじめとした各楽器の配置や独自のサウンドスケープで、異世界に誘うような果てしない深淵さをみせるのは流石としか言いようがない。前作同様、何度聴いても新たな気付きを与えてくれる素晴らしい作品である。享年84歳。最期まで創造性を失わなかった偉大な作曲家に最大限の敬意を表したい。
8.TAMIW『future exercise』(LPのみ)
2018年に神戸で結成された3ピースのオルタナロックバンドの2ndアルバム。このバンド名義での活動歴は浅いものの、ダブ、インダストリアル、ダンスといった要素が交錯し、時にダウナーに、時に凶暴に鳴り響く音の先鋭さといったらない。紅一点のボーカル・tamiの、透明度と神秘さを湛えた歌唱も相まって圧倒的な世界観を構築している。今後の活動から目が離せない要注目のバンドだ。
本作はたまたまspotifyで知ったのだが、後追いで聴いた2018年リリースの1stアルバムがまた尋常じゃない完成度で、ベストアルバムに入れられなかったのが悔やまれる。
7.Klo Pelgag『Notre-Dame-des-Sept-Douleurs(悲しみの聖母)』(前作:2017年No.3)
カナダの鬼才女性SSWの3rdアルバム。グリム童話と宇宙をミックスした世界観でロックしているような(伝わらなそう~)、オリジナリティに満ちた音楽のパワーに今作も圧倒される(全体的に前作より落ち着いた感はあるものの、聴き込みたくなる楽曲の強度は十二分にある)。歌心もあるし、構成力も見事だし、あらためて素晴らしいアーティストだと思う。実は過去に来日していたようで、ぜひ自分もライブを観てみたい。
6.A VIRGINE『A VIRGINE』(LPのみ)
本作からの後追いで知ったのだが、TADZIO(タッシオ)というオルタナ/ハードコア系のガールズデュオバンドのGt.&Vo.がソロで初めたプロジェクトのよう。無機質なビートにゴリゴリのフィードバックノイズを纏ったギターが絡み、ほぼポエトリーリーディングに近い醒めたボーカルが乗っかる、というのが基本スタイルなのだが、これがめちゃくちゃクールでカッコいい。
白状するとリリースから一年遅れくらいでSpotifyで見つけたのだが、作品のレベルとは裏腹に当時月間リスナーが13人くらしかおらず驚いた(2022年の2ndアルバムリリース後にもっと増えたが)。フィジカルはレコードのみ出ていて、音楽からはちょっと想像し難い儚げな美を湛えているのだが、このアートワーク含めて何だか完璧だと感じさせられてしまう。忘れられない一作となった。
5.Bruna Mendez『CORPO POSSIVEL』
ジャケット見てはじめ男だと思ってしまっていたけど女性でしたごめんなさい。ブラジルのアーティストで、研ぎ澄まされたサウンドとウィスパー成分強めの高く美しい歌声を武器に、まさに先端をいくMPBをやっていてもうひれ伏すしかないレベル。聴くべし!
4.SAULT『Untitled (Black Is)』『Untitled (Rise)』
英R&Bグループで、ほぼ毎年1枚以上アルバムを出す多作っぷりに驚かされるが正体がいまいち謎である(メンバーは3名で内1名はリトル・シムズの作品のプロデュースも手掛けたそう)。アフロビートのようなトラディショナルな音楽とアーバンな音楽が混在していて、それらパワー漲る楽曲のひとつひとつが祝祭のように鳴り響き、未だ閉塞感の拭えない世界を鼓舞するかのよう。二作同時リリースされたようなのでふたつで一作とした。
3.Moses Sumney『Græ』
米カリフォルニア出身のSSWによる2ndアルバム。話題になっていたっぽい前作をスルーしてしまっていたのだが今作を聴いてぶっ飛び。R&B、ソウル、ゴスペル等が溶け合う多彩な音の奔流に、別世界に連れ去られるようだ。デビュー当時フランク・オーシャンを引き合いにざっくり"内省ソウル"と括られていたようで、なるほど確かに内省的ではあるが、それだけに留まらず、世界にコネクトしようとする強い意志を感じる。
2.Leah Dou『GSG Mixtape』(前作:2016年No.2)
気鋭の中国人女性SSWリア・ドウによる2ndアルバム。トリップッホップやオルタナティヴミュージック等に影響を受けた新世代のポップアイコンだと、また中国人アーティストのイメージを一変させるほどに鮮烈にその名を脳髄に刻まれる事となった2016年のデビュー作から、まさに一日千秋の思いで待ち続けた。新作リリースの報せに心躍るも、あまりにもイメージからかけ離れた奇妙なジャケットに「一体どんな音楽になっているのか…?」とまったく想像出来ず耳にしたのだがー
結果、前作をいい意味で裏切る作品になっていた。前作『ストーン・カフェ』はダークなトーンを内包しつつも、全体を通して非常に洗練されたポップ作品に仕上がっていたのだが、今作はその要素を根底に残しつつもよりアヴァンギャルドな方向に舵を切っているのだ。象徴的なのは馬伯騫というラッパーをフィーチャーしたM2「Luv U Alien」で、この曲ではダウンテンポにまさかのサンバの要素を組み合わせていて、不協和音気味なホーンに誘われるように、洗練されつつもカオティックな空気を生み出す。M10「Nightmares」の、リバーブがかった静かなトラックに乗せて美しくも絞り出すように歌う様には深い孤独が感じられたりと、全体的にダークな色合いがより色濃くなっているのだが、その得も言われぬ不思議なバランス・掴みきれなさに何度もリピートしたくなってしまうのだ。彼女の今後の活動から目が離せないし、来日公演を熱望する。
(↑CDはアジアサイトにのみ取り扱いあり)
1.上田麗奈『Empathy』(前作:2016年No.21)
声優・上田麗奈の初のフルアルバム。はじめの2曲は今作「春」のイメージ通りの爽やかなポップスで(彼女自身が作詞したM1「アイオライト」は歌詞との対比が面白い)、そこから空気を変える深淵なインストトラックを挟んでからのM4「ティーカップ」でまずやられた。ネオソウルっぽいのだが変拍子が用いられ、ゆっくりと回転しているようなグルーヴと、無機質さと静かな狂気を含んだボーカルに、不思議な国のアリスの世界に誘われるかのようだ。
サウンドプロダクションや楽曲の素晴らしさもさることながら、年間ベストに挙げるほど評価が高くなった要因として彼女の"歌"が挙げられる。ちょっと他では聴けない歌唱をしていると思うのだ。元々彼女は歌は全然好きではなく(近年緩和したようだがライブは"嫌い"と公言していたほど)、ただ元々強固な世界観をもっており、本業は声優であるがゆえ表現する力は十二分に育まれ、そんな状態でたまたま歌う機会が巡ってきてしまった。そういった、一般的な歌手とは少し違うルートを辿る事で独自のボーカリゼーションが生まれたのかと想像したりする。芝居をするように歌っている感じというか。
我が子に聴かせる子守唄のような愛らしさに満ちたM5「きみどり」、天国への扉を開かんとばかりの輝きを感じさせながら、あともう少しで何もかも砕け散ってしまいそうな危うさを孕んだM8「aquarium」、世界を浄化するような、高貴さと優美さを兼ね備えたM10「Campanula」等、聴いていて目の覚めるような瞬間が何度も訪れる。M5「いつか、また」の歌の音程が不安定だという批判的なレビューをみかけたが、これは明らかに揺れる感情の表現だろう。明るく聴こえる歌もあるが、根底に"そう簡単には救われない"というような諦念めいたものを抱えているようにみえて、だからこそ愛とかポジティブさを感じさせる表現がよりかけがえのないものとして響いてきたりする。嗜好にもドンピシャで、一枚のアルバムとして構成も素晴らしい(前作は6曲入りのEPで出来は非常にいいものの若干物足りなさがあった)。正直、リア・ドウとどちらを1位にするかかなり迷ったし、客観的にみれば本作より優れた作品は他にもあると思うのだが、結果、自分的には堂々文句なしの2020年ベストアルバムとなった。
~2020年ベストアルバムまとめ~
01.上田麗奈『Empathy』*
02.Leah Dou『GSG Mixtape』
03.Moses Sumney『Græ』
04.SAULT『Untitled (Black Is)』『Untitled (Rise)』
05.Bruna Mendez『CORPO POSSIVEL』
06.A VIRGINE『A VIRGINE』*(LPのみ)
07.Klô Pelgag『Notre-Dame-des-Sept-Douleurs』
08.TAMIW(タミュー)『future exercise』*(LPのみ)
09.Jon Hassell『Seeing Through Sound(Pentimento Volume Two)』
10.The Weeknd『After Hours』
11.Childish Gambino『3.15.20』(DL販売のみ)
12.Awich『孔雀』*
13.Becca Stevens『Wonderbloom』
14.RYUTist『ファルセット』*
15.sora tob sakana『deep blue』*
16.Rina Sawayama『SAWAYAMA』*
17.青葉市子『アダンの風』*
18.Joji『Nectar』*
19.hyukoh『Through Love』
20.LISA PAPINEAU『Oh Dead On Oh Love』
21.Ethan Gruska『En Garde』
22.downy『第七作品集『無題』*
23.Grimes『Miss Anthropocene』
24.The Strokes『The New Abnormal』
25.Kelly Lee Owens『Inner Song』
26.Okada Takuro『Morning Sun』*
27.Coriky『Coriky』
28.The Bug Featuring Dis Fig『In Blue』
29.BLACKPINK『THE ALBUM』
30.Kassa Overall『I Think I'm Good』
31.Phoebe Bridgers『Punisher』
32.4s4ki『超怒猫仔』*
33.mei ehara『Ampersands』*
34.Flanafi『Do You Have My Money』(DL販売のみ)
35.Rituals Of Mine『HYPE NOSTALGIA』
36.Kanye West『JESUS IS KING』
37.鈴木みのり『上ミノ』*
38.Uyuni『'99 PEACHY』*
39.Helsinki Lambda Club『Eleven plus two / Twelve plus one』*
40.?te『A Bedroom of One's Own』
41.RAY『Pink』*
42.藤原さくら『SUPERMARKET』*
43.Makaya McCraven『Universal Beings E&F Sides』
44.岡村靖幸『操』*
45.Actress『Karma & Desire』
46.Duval Timothy『Help』
47.Last Electro『closer』*
48.EMOE『Negative』*
49.Kaede『今の私は変わり続けてあの頃の私でいられてる。』*
50.Adrianne Lenker『songs』
次点.Vaundy『strobo』*
Vaundyは時点なので省くとして、50作中日本人の作品が22作と半数近くを占め、今までが1/3程度かそれ以下だったのでかなり増加していて驚いた(Rina SawayamaやJoji等は拠点が海外だが日本人である事に違いはない)。
個別でコメントを残せなかったアーティストや作品について少し。藤原さくらはたまたま彼女の冠ラジオ番組を耳にし、かけている音楽があまりにも嗜好にマッチしていたので聴き始めたのだが、それだけにいい曲を書くなと感心した(M10「ゆめのなか」とか特に刺さった)。
RAYは2018・2019年で紹介した・・・・・・・・・(ドッツ)の運営チームが新たに手掛けたアイドルグループで、シューゲイザーを基調とした音楽性も受け継がれていて、アルバムの完成度も非常に高く満足すると共に、今度こそ活動を追えるぞと嬉しくなった。他アイドル系ではNegiccoのメンバーであるKaedeのソロ作もとても心地よく聴けるハイクオリティなものだったし、吉田豪の記事で知ったEMOEも拙いところを補って余りある楽曲の魅力があり、もっとボリュームのある次のアルバムを聴きたいと思わされた。鈴木みのりもめっちゃ好みの楽曲でかつ歌唱力もありよくリピートした。
日本人にばかり触れたが、他の作品も一応順位は付けたものの選定したものなのでどれも素晴らしいものばかりだった。ただまだまだ翌年以降の記事も書かなきゃならないのでこの辺で。今度こそインターバル短めでアップできますように笑